Q.アメリカ旅行中にパスポートなどの入ったポシェットを紛失してしまい、領事館に問い合わせたり大変苦労しました。結局、そのポシェットは手元に戻り無事に帰国できたのですが、海外でパスポートを失ったときはどう対処すればよかったのでしょうか?
必要な書類は、@写真(縦4.5×横3.5)2枚、A戸籍謄(抄)本または日本国籍であることを証明する書類(日本の免許証には写真・国籍とも記載されているのでこれがあればOK。ただし質問者のようにポシェットごと落としてしまいこれもなければ、添乗員や旅行仲間に同行してもらい身元を保証してもらうこととなる)、B(もし入手が可能ならば)現地所轄警察署の紛失・盗難届出証明書を持参して大使館等へ直接出向きます。ここで備付けの渡航書発給申請書を書き、さらにパスポートを持っていない理由及び日本を出国したときから申請するまでの経緯を書いた書面を添えて提出すれば、渡航書の交付が受けられます(施行規則15条)。手数料は2500円(現地通貨払い)。
なお、渡航書で帰国した後に再び海外へ出向くときには、当然、新たなパスポートを申請することが必要となります。
これに対して、長期の滞在が可能な場合には、紛失したパスポートの再発給を受けることができます(法10条)。これは、パスポート番号を除き、有効期間などすべて紛失したパスポートと同一の内容で発行されるものです。追記欄に「この旅券は、旧旅券○○○○○号の再発給旅券である」との記載がなされます。この手続きに必要な書類は渡航書の申請と同じで、これに大使館等備付けの旅券再発給申請書2通に記入し、さらに紛失の顛末を書いた紛失届をそえて提出することとなります。手数料は10年有効のパスポートの場合は1万2000円、5年の場合は8000円。
ただしこの再発給の際には、紛失した旅券の発給事実の有無や同一人かの確認のために、日本と連絡して写真等関係書類をチェックする必要があり、ある程度日時がかかりますのでご注意下さい(1週間を見込めば大丈夫)。
パスポートは落としたり盗まれたりしないように用心をすることはもちろんですが、こうしたときのために、自分のパスポート番号や発行年月日などのデータは必ずどこかに控えておきましょう。
また、この渡航書の発行や旅券の再発行とともに以前のパスポートは無効となり、官報に告示されます。これはそのパスポートが悪用されることを防止する措置です(法18条)。なお、もしウソをついて再発給を受けようとしても、他の記録との照合ですぐに見破られ、3年以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます(法23条1項)。