
法のくすり箱
Q、レンタルビデオを見終わって巻き戻していたところ、テープが機械に巻き込まれて切れてしまいました。このままではいかほど請求されるかと心配です。何か補償の基準のようなものはあるのでしょうか?
A、レンタルビデオショップによっていろいろありますが、近年では会員に加入の際に、同時に「キズ保険」や「商品保障保険」といった名前で保険加入を義務づけているところが多くなっているようです。新規加入や更新の際に保険料(1年に200円程度)を合わせて支払った覚えはないでしょうか。もし保険制度があるようなら、テープ返却時に、デッキにテープが絡みついて切れてしまった旨を申し出れば、この保険によってすべて支払われ、一切負担する必要はありません。このほか見ているときにテープが切れたとか、誤って踏んでしまうなどしてテープが壊れたようなときにもこの保険は有効です。お店で保険内容をよくお確かめ下さい。
ただ、こうした保険制度に加入していない場合や、たとえ保険に入っていたとしてもよほど悪質な理由でテープを損傷したときには、損害賠償の義務はあります(民法709条)。もっともその場合でも、元の新品のテープの代金を支払う必要は当然ありません(たとえ店頭にテープ損傷の場合は新品購入代金を負担等々と書かれていたとしても)。損害実費を負担することになります。
店側では、そのテープを購入したのがいつか、またそのテープがこれまで何回貸し出されたかの記録をもっているはずです。その期間・回数に基づいて減価償却分を差し引いた額を損害実費として支払うわけです。
返却時に事情を話し、もし損害額の保障を請求されたなら、その計算方法などをよく説明してもらいましょう。新品代金を請求されたり、とっくに減価償却しているにもかかわらず多額の補償を請求するようなら、近くの消費者センターに相談に出向き斡旋してもらうのが一番でしょう。

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