
法のくすり箱
Q、遠方にいる孫にお年玉を送ろうと思い、現金書留にすべきだったのですが、つい普通郵便で送りました。先日、孫からお年玉がまだ着いていないと連絡がありました。郵便物を捜す方法はありますか?もし紛失していた場合、弁償してもらえるでしょうか?
A、まず郵便物を捜す方法についてですが、郵便局の誤配や取扱い中の行き違いによって遅れたりする場合もありますので、お近くの郵便局に行って、郵便物がまだ着いていないということを窓口で申し出てください。郵便局では、未着の紛失届「郵便物事故調査票」という用紙が置いてあります。どこのポストに何月何日何時ごろ差し出したか、封筒の中身は何だったのかなどを明確にくわしく述べ、郵便局員に記入してもらいます。その用紙に記入された事項をもとに、郵便局では郵便物事故申告処理規程にしたがって、引受局・取集局・継送局・配達局に調査票をまわして調査します。そして、調査の結果を報告してくれます。ただ現実には普通郵便の場合、郵便局に記録が一切ありませんので残念ながらみつかる可能性は少ないでしょう。
次に損害賠償についてですが、普通郵便の場合は、現金に限らず大事な書類や物などを送って紛失したりあるいは遅れて着いたり毀損したときでも、一切損害賠償はされません(ただし普通小包郵便物の場合は6,000円まで補償される)。やはり大切なものを送るときには書留にされる方がよいでしょう。
書留ですと、郵便物が通過する所(引受局・取集局・継送局・配達局とも)に必ず記録が残りますし、もちろん損害補償があります。法律でも、現金・宝石・その他の貴金属を郵便物として差し出すときは、原則として書留の郵便物としなければならないと定められています(郵便法19条)。現金書留の場合、補償額は実損額(現金封筒に記入した額)となります。ただし50万円以上は補償されませんので、50万円以上送るときには封筒を分けて出されるほうがよいでしょう。現金以外(宝石・その他の貴金属)の書留の場合は、500万円まで補償されます。ただし、その価額を申し出なかった場合は、現金書留なら1万円、現金以外なら10万円として申し出たものとされますのでご注意ください。
また、簡易書留の場合ですと引受局と配達局のみに記録が残ります。書留よりも料金は割安ですが、損害賠償額は8,000円までしかありません。

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