
法のくすり箱
Q、私は分譲マンションに住んでいますが、マンションの敷地の一部を分譲会社が有料駐車場にして使用料をとっています。こんなことも許されるのでしょうか?
A、有料駐車場にしている土地が、ほんとうにそのマンションの敷地面積の一部として分譲の対象になっているかどうかをもう一度確かめてください。そのマンションの分譲広告・売買契約書およびこれに添付されている重要事項説明書などをみればその点が示されているはずです。
分譲会社が有料駐車場として使用している部分が、分譲の対象であり区分所有者の共有地の一部であるにもかかわらず無断で有料駐車場にされているとすれば、これは明らかに不法使用です。したがって分譲会社に対して駐車場をマンションの管理組合の管理下に移管するよう法的に要求することが可能です。この場合において、ときには分譲会社が、問題の土地をマンション敷地から分筆のうえ自己の名義としていることさえあります。当該土地はマンションの購入者に移転すべきものであり、所有名義の移転登記をするよう求めることが併せ可能です。
ところで、分譲会社が有料駐車場にしている土地がそもそも分譲地ではなかったとすれば、原則としてとやかくいうことはできません。しかし、その土地(駐車場)が、マンションの建築確認の対象として組み入れられている場合があります。そのときには、この土地に将来にわたって建築物を建てないとの空間地確保の地役権(ちえきけん、民法280条)を設定してこれを登記するように分譲会社に要求しなければなりません。なぜなら、現在、市街地に建てられているマンションの多くは、建築基準法の建ぺい率や容積率の規制の枠内でぎりぎり一ぱいに建てられています。したがって、右の土地を空き地としておかなければ、区分所有者の共有となっている敷地だけでは、将来建て替えをするときに現在のマンションと同一規模の建築ができないおそれがあるからです。
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