いよいよ開始!☆★☆ビッグバン☆★☆

日本の金融制度はどうなるのか?!

何が?? どう?? 変わるの??


なぜビッグバンなのか


 ビッグバンという呼び名で私達の耳に入ってくる金融制度の大改革が、今年から2001(平成13)年にかけて本格的に進められようとしています。なぜ必要なのか、その説明は必ずしも一様ではありません。しかし、背景となる事情として、長年月にわたって私達がなじんできた預金や証券・保険などの制度の仕組みやあり方が、世界の支配的な仕組みや基準からみた場合、じつはかなりのズレを生じてきているという実情があります。このままでは日本の金融市場としての地位がどんどん低下する、各国に対して真の市場開放をしたことにならない、国民も自由な金融の利益やサービスを受けられていないなどとの説明がなされています。
 もっと端的には、規制のために凋落のいちじるしい東京金融市場を2001年まで再生させるためであるとか、1200兆円という国民の個人資産を効率的に運用できるような環境づくりのためであるとか、さらには、規制による高コスト体質がわが国の国際的な競争力の障害となり、また消費者の利便にも合わないという状況を生じているためである、などとも説明されています。

銀行・証券・保険の垣根の撤廃 ”金融サービスの自由化”


 たとえば、どのような点が変わるのか。まず、銀行・証券・保険業務の一体化です。わが国では、それらの業務は、銀行・証券会社・保険会社が別々に担当するように規制してきましたが、国際的には、相互乗り入れが一般的で、どの分野でも自由にやってよく、各社・各行がその得意な業務分野で特色のある金融サービスを行う方向にあります。
 これまでのように、銀行には銀行業務だけしか認めず、しかも金利はどこの銀行でも同一の横並びに業界を規制していく従来のやり方を改め、自由な市場原理に服せしめようとするものです。
 この自由化により、銀行の金利はもちろんですが、これまで一律に決められていた損害保険の料率にも差を設けることが自由になります(本年7月全面自由化)。またすでに自由化されている生保の料率も、損保などの他業種からの新規参入が進むため、競争がきびしくなるでしょう。そして保険の種類について(たとえば障害や医療などに)課していた販売規制も廃止されます。
 とくに、証券分野の手数料規制の撤廃と自由化は重要です。近年の固定された高額の手数料と証券取引税等による東京証券取引所の世界市場における地位の低下は、わが国の経済展望の大きな不安材料となっています。東京市場の空洞化の進行をくいとめるための方策の中には、むろん、株式売買手数料の自由化(本年4月1日より5000万円以上については自由化。来年4月には完全自由化される)、さらに有価証券取引税、取引所税の撤廃がかぞえられることでしょう。いずれにせよ、各金融機関は、業務の垣根がとりはらわれた上に規制が緩和されて業務範囲が大幅に広がるため、特色のある経営を進めないと生き残れず、再編・淘汰をさけられないと思われます。

消費者はこんなことが可能になる ─自由な選択と責任─


 金融大改革の進行により、従来に比べ、個人はたとえば、どんなことが可能となるのでしょうか。まず、ビックバンのフロントランナーといわれる外国為替管理法の改正により、海外に預金口座を開いてそこで預金したり支払ったりすることが自由にできるようになります。また国内でドルなどの外貨で買物をすることが可能になります。そのほか、銀行だけでなく証券会社にも預託を受けた現金や株券をベースとした総合口座がスタートし自動支払や自動融資が受けられるようになること。銀行の利息、株売買の手数料、損保の保険料など、いずれもサービスのよいものの選択が可能になることがあげられます。しかし、種々に自由化される金融サービスの選択にあたって、利用者は、明確に自己責任が求められ、リターンは常にリスクとの見合いで決まる、ということを身につけなければなりません。従来の公的な規制とともにあった保護に頼ることはできなくなります。しかし一方、金融サービス法という利用者保護をうたう新たな規制立法や早期是正措置という強力な行政介入の導入も予定されており、これが従来の規制にとってかわる新しい規制とならないかも議論されるところです。ちなみに銀行が破綻したときの預金者保護も2001年からは払い戻しの上限を1000万円とするペイオフの開始が予定されています。




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