大型二輪
教習所で免許が取れます
取得年齢は18歳に引上げ
二輪車は大型になればなるほど運転は難しくなります。そのため、“ナナハン”などと呼ばれる大型二輪に乗るための免許を取得するには、直接、運転免許試験場で行われる技能試験に合格するしか方法はありませんでした。合格者は7人に1人といわれ、93年で約8万8千人(中型免許取得者の4分の1)という難関です。
これが、今回の道路交通法等の改正により、教習所で技能検定に合格すれば、普通の四輪自動車の免許と同じように、学科試験を受けるだけで免許を取得できるようになりました。これにより大型二輪の免許は従来よりぐっと取りやすくなると見られ、免許取得者が年間30万人に達するとする予測もあります。
しかし、大型二輪には高度な運転技術が必要ですから、免許取得のレベルを落とすことはできません。そこで次のような改正が行われました。
まず従来の自動二輪車免許(125cc以下の小型限定、400cc以下の中型限定、及び限定なしに区分されていた)を、「大型自動二輪車免許」と400cc以下の二輪に乗ることができる「普通自動二輪車免許」の2つに切り離し、大型二輪免許の取得可能年齢については、16歳から18歳に引き上げました(法84条3項、法88条1項)。
従来 | 区分 | 自動二輪免許 | ||
小型限定 | 中型限定 | 限定なし | ||
排気量 | 125cc以下 | 400cc以下 | 限定なし | |
取得年齢 | 16歳 | 16歳 | 16歳 | |
改正後 | 区分 | 普通二輪免許 | 大型二輪免許 | |
---|---|---|---|---|
小型限定 | 限定なし | |||
排気量 | 125cc以下 | 400cc以下 | 限定なし | |
取得年齢 | 16歳 | 16歳 | 18歳 |
普通二輪免許 | 大型二輪免許 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
小型限定 | 限定なし | |||||
技能 | 学科 | 技能 | 学科 | 技能 | 学科 | |
免許のない方 | 12(8) | 32(23) | 19(11) | 32(23) | 36 | 32 |
ステップアップする場合 | 小型→限定なし→大型二輪 | 5(4) | 免除(0) | 12 | 免除 | |
小型限定→大型二輪 | 20 | 免除 | ||||
普通免許(四輪)保持者 | 10(7) | 1(8) | 17(10) | 1(8) | 31 | 1 |
※なお普通免許(四輪)においては技能34時間・学科34時間 |
ただ実際に自動車教習所で大型二輪免許が取れるようになるのは、まだ先の話になりそうです。というのは、自動車教習所が大型二輪免許の指定教習所になるためには、まず公安委員会に届出をし、公安委員会の決めた一定の基準を満たさなければなりません。そのためには、6ヶ月の間に公安委員会から指定された規定の人数(教習所の規模等により異なる)の教習所卒業者が、従来どおり免許試験場で実施される技能試験に、95%以上合格している必要があります(法99条・令35条、この指定前教習は早いところで今年7月に始まったばかり)。また、教習所のコースの変更や運転シミュレーターの導入なども行わねばならず、関係者は指定前教習には慎重なようです。
大型二輪は乗り方をまちがえれば非常に危険でもあります。乗る人の意識とマナーを向上させ、安全に乗れるようにしたいものです。
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