パートで働く みなさん!!

失業手当がもらえます!

雇用保険法の一部改正(平成元年10月1日)



 雇用保険法の改正により、平成元年10月1日より、パートタイマーにも雇用保険の適用が拡大されました。

短時間パートにも雇用保険の適用拡大


 雇用保険というのは、民間企業につとめる労働者を対象に、失業した場合の給付を行ったり、就職を促進するための職業訓練を行ったりすることを目的につくられています。
 パートタイマーについては、従来は、週33時間以上働く人だけがこの雇用保険の対象とされ(正社員と同様の規定が適用)、きびしい制約がありました。平成元年10月から、この労働時間の制限が大幅に緩和され、新たに「短時間労働被保険者」として位置づけられて、短時間パートにも雇用保険の適用がなされることになりました(6条1号の2)。
 したがって、現在では、パートで1週間に30時間以上働いている人は一般労働者と同じ雇用保険の規定が適用され、1週間に30時間未満働く短時間パートについては「短時間労働被保険者」という特別な枠の扱いで雇用保険が適用されています(ただし、季節雇用や1年未満の短期雇用は除く)。もっとも、この「短時間労働被保険者」の対象となるのは、1週間に20時間以上30時間未満働く者で、しかも年収90万円以上の者に限られますのでご注意ください。

失業手当などを特別枠で給付


 失業したときに支給される求職者給付(失業手当)も、短時間パートについては一般労働者と異なる特別の定めによります。
 まず、基本手当(失業手当のうち生活費保障にあたり大部分を占める)の給付日数ですが、離職の日の年齢と被保険者であった期間に応じて、下の[表1]の右のように支給されます(22条)。なお、被保険者であった期間が1年未満であるときには一律90日となります。給付日数が一般労働者よりきびしいようですが、短時間労働者は正社員よりも再就職が容易であることからとられた措置です。

[表1]改正後の所定給付日数
被保険者であった期間が1年未満である場合は一律90日
被保険者の
区分
一般被保険者短時間労働被保険者
被保険者で
あった期間
1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上 1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満90日90日180日――90日90日180日――
30歳以上
45歳未満
90日180日210日210日90日180日180日210日
45歳以上
60歳未満
180日210日240日300日90日180日180日210日
60歳以上
65歳未満
240日300日300日300日210日210日210日210日
就職困難者45歳未満は240日
45歳以上65歳未満は300日
30歳未満は180日
30歳以上65歳未満は210日

 基本手当の日額は、離職前最後の6ヶ月間の給料を180日で割った金額を賃金日額として計算し、これを基礎としてだいたい6割〜8割が給付されます(賃金日額3960円未満は8割支給、16・17条)。もし賃金日額が2970円に満たないときには、2970円として計算されます。
 さて、失業手当が支給される要件ですが、一般労働者では離職の日以前の1年間に6ヶ月以上働いていれば(14日以上働いた月を1ヶ月として計算する)支給されます(13条、ただし病気・ケガ・出産などのため休職していた人のためには特別措置がある)。これに対して、週30時間未満の短時間パートでは、この1年にさらに離職の日以前の1年間に働いていた日数を加え、この間で働いた月(11日以上働いた月を2分の1ヶ月として計算する)が6ヶ月以上あるときに支給されます(13・14条)。たとえば、離職の日の1年以上前から短時間パートとして勤めつづけていれば、1年にさらに丸1年をたしたこの2年以内に、11日以上働いた月が12ヶ月あればよいわけです。

[表2] 高年齢求職者に対する給付
上段:短時間労働被保険者 ( ):一般被保険者
被保険者であった期間高年齢求職者給付金の額
1年未満50日分
(50日分)
1年以上5年未満100日分
(120日分)
5年以上100日分
(150日分)


 さらにこれとは別に、高年齢求職者給付金(同一の職場で65歳になる以前から働きはじめ65歳をすぎて失業した人が対象)についても、短時間パートの規定があり、給付日数は上の[表2]のとおりとなっています(37条の2〜5)。




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