ご存知ですか?
新パスポート
IC旅券
──H18.3.20スタート
旅券法の改正
今年の夏はどちらかへお出かけですか。海外?それとも国内?──
平成16年末で有効なパスポートの数は約3440万冊、実に日本人の3.5人に1人がパスポートを持っている時代です。
あなたがお持ちのパスポートは、ICパスポート?それともまだ従来型?──
「
旅券法
」が改正され、平成18年3月20日から、ICパスポート(IC旅券)が発行されています。
IC旅券に順次切替え
旧来型も最後まで使用可
IC旅券とは、生体認証(バイオメトリックス)を記録したICチップ(非接触集積回路)を組み込んだ新型のパスポートです。IC旅券には、世界共通のマークがパスポートの表紙に付けられています。
旅券の記載事項はこれまでとまったく同じ、外観も表紙のマーク以外は変わりありません。ただ、パスポートの中央のページに、ICチップを組み込んだプラスチックカードが1枚挟み込まれています。
ICチップに記録されている情報は、国際標準で決められた必須事項に限られ、(1)顔写真、(2)氏名、(3)性別、(4)生年月日、(5)国籍、(6)発行国、(7)旅券番号、(8)有効期間満了日の8項目です。
これで、旅券の顔写真をはりかえて偽造することは、もう不可能となります。また、パスポートを提示した人の顔とICチップの顔写真を機械で照合して、他人が「成りすまし」たときも見破ることが可能です。
[申請手数料]
パスポート申請の種類
合計
新規申請10年間有効(20歳以上)
新規申請5年間有効(12歳以上)
新規申請5年間有効(12歳未満)
訂正申請
増補申請
16,000円
11,000円
6,000円
900円
2,500円
パスポート申請時に必要な書類は従来と基本的に同じですが、ただ、顔写真の顔の部分の大きさが従来の規格より少し大きくなっていますので、お手持ちの写真ですませようと思っている方は注意が必要です。また、ICチップの実費分(1000円)、旅券発給手数料は値上げされています(右表参照)。
平成18年3月20日以降の申請については、すべてIC旅券に切り替えられています。もちろん、従来型の旅券も、有効期間が満了するまではそのまま使うことができ、どの国の出入国においても、違いなく使用することができます。もっとも、どうしてもIC旅券がほしいという方は、古い旅券を返納して(残存期間が1年以上あってもOK)、新たにIC旅券を申請することができます。その場合、手数料の割引等はありませんので悪しからず。
再発給制度は廃止
盗難・紛失等は本人届出
さらに、従来のパスポートの再発給の制度が廃止されました。
パスポートを盗まれたり、紛失したり、あるいは焼失してしまったときは、遅滞なく届け出ることが義務づけられています(18条。とくに罰則はなし)。従来は、この届出のあと、古い旅券と同一の有効期間の旅券を再び発給してもらい(再発給、手数料は若干安い)、それでようやく古い旅券は失効するという仕組みになっていました。まだ有効期間があるパスポートを持っている人は、基本的に、残存期間が1年を切ったか、あるいはビザ欄の頁が一杯になった(増補できるのは1度だけ)ときだけ、新たな旅券に切替申請ができるものです。
新制度では、パスポートの盗難・紛失・焼失の際は、本人が直接、旅券事務所等に出向いて届け出ることが義務づけられ、その届出の時点で、古いパスポートは失効することになりました(17・18条)。そして、紛失等した人(著しい損傷を含む)は、新たな有効期間をもったまったく新しいパスポートを申請しなおすことになります。
罰則の強化
――未遂も処罰・営利目的には加重罰
ブローカーや犯罪組織による、日本旅券の偽造や盗難被害は増加しています。このため、罰則の対象を広げるとともに、法定刑の引き上げが行われました(23条。平成17年12月10日より施行)。
(1)虚偽申請や不正申請、(2)他人名義の旅券の不正使用、(3)自分の旅券を他人に譲渡・貸与、(4)不正な目的で他人名義の旅券を譲渡・所持等、などした者は、5年(従来は3年)以下の懲役または300万円(同30万円)以下の罰金に処せられます(併科もあり)。(1)・(3)・(4)を営利目的に行った場合はさらに重く、7年以下の懲役または500万円以下の罰金(併科あり)です。しかもいずれも、未遂罪は罰せられることとなりました。
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楽しい海外旅行、くれぐれも犯罪に巻き込まれないよう、お気を付けていってらっしゃい!
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