〜ことばが築く豊かな思考と文化〜
文字・活字文化振興法の制定
平成17年7月29日施行


社会問題となる読書離れ・活字離れ


 国民の活字離れ・読書離れが久しく問題とされています。町の小さな本屋は姿を消し、今や千円を超える文庫本もざらとなりました。読書はもはや高級な趣味となりつつあるのでしょうか。
OECD学習到達度調査「読解力」の結果
2003年2000年
国・地域得点国・地域得点









10
11
12
13
14
15
フィンランド
韓国
カナダ
オーストラリア
リヒテンシュタイン
ニュージーランド
アイルランド
スウェーデン
オランダ
香港
ベルギー
ノルウェー
スイス
日本
マカオ
543
534
528
525
525
522
515
514
513
510
507
500
499
498
498
フィンランド
カナダ
ニュージーランド
オーストラリア
アイルランド
韓国
イギリス
日本
スウェーデン
オーストリア
ベルギー
アイスランド
ノルウェー
フランス
アメリカ
546
534
529
528
527
525
523
522
516
507
507
507
505
505
504

 平成15年(2003年)、OECD(経済協力開発機構)が世界の加盟国・地域の15歳を対象に行った学習到達度調査では、日本の高校1年の「読解力」は世界で14位、前回調査(2000年)の8位からさらに後退していました。1位となったフィンランドでは、図書館で月1回は本を借りる生徒が44%、これに対して日本では19%にすぎません。さらに、小説など長く複雑な文章を読む生徒の割合は、各国平均が22%に対して、日本ではわずか3%、世界の最下位でした。
 学力も、結局最後は国語力だといいます。人間は、言葉で感じ、言葉で考え、言葉で理解するのです。豊かな言葉がなければ、真に豊かな人生とはならないといえましょう。

誰でもいつでもどこでも文字・活字文化の享受を

  平成17年7月29日、「文字・活字文化振興法」が制定されました(同日施行)。図書館法など個別の対策法しかなかったのに対し、新たに、豊かな文字・活字文化のための施策を総合的に推進するべく基本法を制定したものです。
 基本理念は以下の3つです(3条)。

 そのため、国・地方公共団体は、民間団体とも連携しながら、財政上の措置を含め、文字・活字文化振興策を実施する責務を有します(4〜6条、12条)。

多様な国の活字文化紹介と日本の活字文化の発信

 とくに、次の事項が盛り込まれ、重点が置かれることになります。

(a) 地域での取組(7条)
(b) 学校教育での取組(8条)
(c) 国際交流(9条)
(d) 学術的出版物の普及(10条)

*       *       *

 10月27日が「文字・活字文化の日」として制定されました(11条、読書週間の初日)。広く国民の関心と理解を深めるよう、さまざまな行事が行われることとなります。




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